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鳴るほど♪楽器解体全書
リコーダー第1回
リコーダーの種類と構造
 
はじめまして!楽器解体全書です
はじめまして!楽器解体全書です
 

みなさん、はじめまして。
今週からスタートした【鳴るほど!楽器解体全書】は、1つの楽器にじっくり4週かけて迫るコンテンツです。まずご紹介するのは【リコーダー】。学校で習ったから知ってるようで、案外知らないものですよね。設計担当で木製リコーダーの職人でもある山田有恒(やまだゆうこう)さんに話を聞いてみました。

  このページに掲載されている情報は2004年2月現在のものです。  
TOPICS
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●これも、あれも、リコーダー!? 【ソプラノとアルトだけじゃない】
●リコーダーはなぜ音が鳴る? 【シンプルな管なのに不思議でしょ】
●達人の腕の見せどころ 【音を左右するひと削り】

  これも、あれも、リコーダー!?

♪習字の筆くらいのリコーダーもあるんですね

「それは、ソプラニーノです。ソプラノリコーダーよりも小さいんですよ。もっと小さいガークランというリコーダーもあります」

♪こんなに小さいと、うまく孔(あな)を押さえられなさそうですが・・・

「大丈夫です、ちゃんと大人用に作ってありますから。(笑) リコーダーと一口に言っても、ほんとに色々な種類があります。アルトリコーダーの倍の長さのバスリコーダーや、そのバスの倍の、2メートルもあるダブルベースリコーダーもあります。こちらはグレートバスリコーダー、ちょっと吹いてみましょうか」
山田有恒さん写真
山田有恒さん
リコーダー製作に携わって35年
  グレートバスリコーダーを吹いているところ
グレートバスリコーダーを吹く山田さん

♪うわぁ、大きいですねぇ! それに音が深い!

「グレートバスの場合、金具の吹込管から吹いて、指が届かない遠くの音孔(おんこう)は金属のキイで押さえます。こちらはバロック様式のデザインなので、家具の脚や柱みたいですよね」

♪まさに家具ですね。私にも吹けますか?

「吹けますよ。リコーダーは、種類によって音域はそれぞれちがいますが、どれもほとんど同じ指使いで吹けるんです。学校で習った要領で試してみてください」

♪それでは、こちらのバスリコーダーを。(吹いてみる。) 音がおなかに響きます~っ これもリコーダーなんて驚きです!

「みなさんも楽器店で見かけたら、ぜひ吹いてみてくださいね」
バスリコーダー
アルトの倍の長さのバスリコーダー
 
音域別種類 音域表
音域別種類 音域表
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リコーダーはなぜ音が鳴る?

♪リコーダーは大きく3つのパーツに分かれていますよね

「そうですね。昔は1本の管だったんですが、今は頭部管(とうぶかん)・中部管(ちゅうぶかん)・足部管(そくぶかん)の3つに分かれているのが一般的ですね。各部の名称はこうなっています」
  リコーダー各部名称の図
リコーダー各部名称
 

♪どうして音が鳴るんでしょう?

「実は、リコーダーの発音の仕組みは、まだ完全に解明されていないんです。でも最近の研究でわかってきたこともあります。唄口(うたくち=ベック)の中がどうなっているか見せながら説明しましょうか」(山田さん、トントントーンと木づちでブロックを外す。)
「吹き込んだ息は、このブロックの上の平らなすき間[ウインドウェイ]を通って行き、窓と管の2方向に進みます。その際、窓に抜けていく空気の流れに引っ張られる感じで、渦ができる、と最近の研究では考えられています。渦ができるきっかけを、窓に抜ける空気の圧力が作っているようです」

♪渦ですか?

「ええ。数学的に表すと、ですが。それによって、管の中に空気の振動が生まれ、それが1秒間に440回となる440ヘルツの時に、[ラ]の音が出ます。これは時報のプップップップーンのプッの音で、オーケストラで最初に合わせる音でもありますね」
リコーダーのブロックを外した様子
リコーダーのブロックを外した様子
440ヘルツの時の[ラ]
440ヘルツの時の[ラ]
  「[ラー]と音を保っている間はこの440ヘルツの波を保っているということで、この波が乱れると、音がふらふらするし、弱いとかすれる。明解な[ラー]を出し続けるには、きちっと息をコントロールすることが大切なんですよ」

♪[ラ-]の間じゅう、一秒間に440回の波が起きてるんですね
音の出る仕組みを図で書くと、どんな感じでしょうか?

「イメージとしては、そうですねぇ…」
 
▲イメージ表示するためには、最新のフラッシュプレーヤーが必要です。
 
 
1. 薄い板状になった息が、ウインドウェイから出てラビューム(エッジ)の先端に当たる
2. 上に行くか下に行くかそのときの複雑な条件により分かれる(この場合、下に行くとする)
3. 下側に行った息の板がウインドウェイとラビューム(エッジ)の間の空気を下に押し下げる
4. 押し下げられた空気の圧力が高くなる
5. 下の圧力が高くなるので息の板が上に押し上げられる
6. 勢い余ってさらに上に行く
7. 今度は上側の圧力が高くなり、息の板が下へ押し下げられる
8. 3から7を繰り返す
ウインドウェイとラビューム(エッジ)の間の空気の上下の圧力が高くなったり低くなったりすることで、息の板が上下に動き、バネのように振動する。この振動(=空気の粗密)が管の中に音速のスピードで伝わっていく。
 
 

♪リコーダーの中でこんなに複雑なことがあっという間に起きて、音が出てるなんて不思議です

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  職人の腕の見せどころ

♪あの、リコーダーの音に大事なのはどこですか?

「うーん、どこもかしこも大事ですが、あえて言うなら、ウインドウェイの出口ですね。ラビューム(エッジ)の先に息を当てて音をつくるのですが、出口の部分の形状は大切ですね。ブロックの角を削ると音に安定感が出て、やせた音が力強い音になるんです。でも、ただ削ればいいってものでもない。取り過ぎるとぼやけちゃって、音の立ち上がり、つまり吹き込んだ息が音になるまでの時間がかかっちゃうんです。エッジ先端の厚みもナイフのようにとがっていれば良い訳で無く、難しいですね」

♪ひと削りでがらりと音が変わるって緊張しそう

「他のところを削る時よりは、そうですね。管の内側なので、見ないで削らないといけませんから」
 
微妙に削られるラピュームの先 木製リコーダーのラピュームの先を削っているところ ブロックの角が削ってある様子
微妙に削られるラビューム(エッジ)の先。ブロックの角も削る。ABS 樹脂製でも木製でも構造は同じ
木製リコーダーのウインドウェイの出口を削って中の削れ具合を確認する
ブロックの角が削ってある様子
  今週はリコーダーの種類と構造について紹介しましたが、いかがでした?
シンプルな楽器かと思っていたら、意外や意外! かなり奥が深そうですね。
リコーダーは種類が多いので、作る職人さんも大変なんですって。
さて来週は、ドレミがなぜできるのかに迫ります。お楽しみに!
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