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ホーム > ヤマハで習う・学ぶ > 鳴るほど♪楽器解体全書 : ホルンの構造と種類


鳴るほど♪楽器解体全書
ホルン第1回
ホルンの構造と種類
 
音色も巻き方も多彩
音色も巻き方も多彩

今回からは美しい音色で私たちを魅了するホルンについて、設計担当の石崎由宣(いしざきよしのぶ)さんにお話を聞いていきます。管がくるくる曲がっていて、形はずいぶん複雑ですよ。

このページに掲載されている情報は2004年10月現在のものです。
TOPICS
変幻自在な音色 【やわらかく、勇ましく】
ホルンのベルは後ろ向き 【音のカドが取れる】
シングル、ダブル、トリプル 【管が増える】
セミダブルとフルダブル 【足すか引くか】
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  変幻自在な音色
 
石崎由宣さん写真
石崎 由宣さん
高校時代、ブルックナー交響曲を聴いてホルンに魅せられた

♪ホルンはどんな音がするんですか

「金管楽器にはめずらしく、弦楽器にも木管楽器にも合わせやすい、やわらかい音色です。同じ金管やホルン同士で合わせる時には勇ましく吹くこともあるんですよ。音色が多彩に変えられるので作曲家にとって使いやすいようで、オーケストラでも出番の多い楽器です」

♪音色を聴かせてください!

「では、ブラームス作曲『交響曲第1番』でのやわらかい音色と、力強い印象のワーグナー作曲『タンホイザー』から少しだけどうぞ」

♪空間いっぱいに広がる感じで、どちらも素敵ですね

ホルンの音色
ホルンの音色
▲上記の音を聴くためには、最新のフラッシュプレーヤーが必要です。
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  ホルンのベルは後ろ向き
「“ホルン”は“角(つの)”という意味で、その名の通り昔は動物の角でつくられていました。管が円筒(えんとう)ではなく、少しずつ広がった円錐管(えんすいかん)なのはそのためです。16世紀まで主に狩猟時の信号用楽器として発達していたので、馬に乗りながら吹けるように管を大きく巻いて肩に担げるようにしてありました。邪魔にならないように、ベルは後ろ向きで」

♪ベルが後ろ向きだと音に何か影響が?

「はい、室内ではホルンはステージの後ろの壁に反射した音を観客に聴かせているんです。だから壁に布が掛かっているか、どんな材質かでも音の印象が変わりますね。一般にホルンの音がやわらかいと言われるのは、壁に反射して音のカドが取れるからです。試しにベルの真正面から聴くと金管特有の荒々しい音がしますよ。ホルンの後ろの奏者はうるさくて大変です(笑)。聴いてみますか?」
 
前から聴いた音はやわらか 後ろから聴いた音は荒々しい
前から聴いた音はやわらか 後ろから聴いた音は荒々しい
▲上記の音を聴くためには、最新のフラッシュプレーヤーが必要です。
 

♪後ろから聴くと迫力があります!
 あっ、ホルンのレバーは左手で押すんですね

「ベルが体の右になるように構え、左手の人差し指・中指・薬指でレバーを押さえて演奏します。楽器を支えているのは左手の小指と、ベルの中に入れた右手の親指。左手の親指の水かきの所にも負担が掛かりますね。楽器の重みで、 よく練習している人にはホルンだこができることもあるようです」

♪ホルンだこ! 楽器は何キロあるんですか?

「管の厚さにもよりますが、シングルで2.0キロ、セミダブルは2.3キロ、フルダブルは2.5キロ、トリプルで2.8キロくらいです。0.1キロ増えただけでも、演奏中は左手の小指にずっしり重く感じますよ」
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  シングル、ダブル、トリプル

♪そのシングル、セミダブル、フルダブル、トリプルって?

「ベッドのサイズみたいですが(笑)、ホルンの構造名なんです。ホルンには大きくシングルホルンとダブルホルンがあり、シングルにはF管(えふかん)やB♭管(べーかん)、F管より1オクターブ高いHigh F管(はいえふかん)などがあります。F管はバルブを押さない時で全長約12フィート(360センチ)、B♭管は約9フィート(270センチ)、High F管は約6フィート(180センチ)です。管が一番長いF管が、音域が一番低いんです」

♪管が長いほど音が低いんですね

「そして、ダブルは2つの調の管が1つになった楽器のことです。F管とB♭管が合わさったのが一般的で、入口と出口は同じですが、途中で通り道を切り替えています」

♪2つが1つになったのがダブル!

「ダブルにはB♭管とHigh F管を組み合わせた楽器もあり、それはデスカントダブルと呼びます。デスカントは“音が高い”という意味で。またトリプルはF管とB♭管とHigh F管の3つから成っています」

♪なるほど、見た目にもだんだん管の数が増えてます

  B♭シングルホルン F/B♭フルダブルホルン F/B♭/High Fトリプルホルン
  B♭シングルホルン F/B♭フルダブルホルン F/B♭/High Fトリプルホルン
 
▲上記の音を聴くためには、最新のフラッシュプレーヤーが必要です。
  ホルンの音域表
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  セミダブルとフルダブル

♪セミダブルとフルダブルの違いは?

「それは楽器をよーく見るとわかりますよ。左がセミダブル、右がフルダブルでこの2つは同じ音域を持つんですが、どこか違いますよね」
 
F/B♭セミダブルホルン F/B♭フルダブルホルン
F/B♭セミダブルホルン F/B♭フルダブルホルン
 

♪セミダブルの方が全体に管がすっきり見えます

「そうですね。セミダブルは全体の管の長さが少し短いんです。次の概念図を見ながら説明しましょう。長さの数値はおおよそで、3つの丸はバルブを表しています。バルブセクションは実際には2階建になっていますが、わかりやすいように位置を離して描いてあります」
  フルダブルホルンとセミダブルホルンの概念図
  フルダブルホルンとセミダブルホルンの概念図
  「そもそも、低いB♭の音を出すには約275センチの管の長さが、もっと低いFの音を出すには約370センチの長さが必要です。
フルダブルホルンでは、B♭の迂回部(うかいぶ)かFの迂回部のどちらかを通るんですが、B♭の迂回部は約30センチなので、275-30=245センチ分の管は低いFの音を出す時にも共用します。つまり、370-245=125センチがFの迂回部に必要な長さです」

♪フルダブルは途中で道が分かれて、また1つになるんですね

「一方、セミダブルホルンでは、低いB♭の音を出す時の275センチの管を基本にしています。低いFの音を出す時は、Fの迂回管を通って元に戻り、275センチの管を使い切るんです。つまり370-275=95センチがFの迂回部に必要な長さで、フルダブルよりも125-95=30センチ短くて済みます」

♪セミダブルは短い分、楽器が軽くなりそう

「はい、0.1キロか0.2キロほど。ただデメリットもあります。低いFの音を出す時にはF管のバルブセクションを通った後、B♭管のバルブセクションも通ることになり、管の中の凹凸を多く通る分、音が影響を受けるんです」

♪一長一短があるんですね

「セミダブルもフルダブルも、1900年前後にアレキサンダーやクルスぺなどによってその原型が形作られました。フルダブルホルンの各名称を紹介しておきますね」
 
 
※各名称にカーソルをのせてみてください
▲【F/Bb フルダブルホルンの各名称】を表示するためには、最新のフラッシュプレーヤーが必要です。
  最初は見分けが付かず
どれも同じホルンに見えましたが、
管の巻き方や裏側を見るうちに
ホルンにも色々あることがわかってきました。
それではまた次回!
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