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ホーム > ヤマハで習う・学ぶ > 鳴るほど♪楽器解体全書 : アナログ・シンセサイザーの音の原理

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1960年代半ばから80年代にかけて一世を風靡(ふうび)したアナログ・シンセサイザー。その音のつくり方について今回はご紹介します。教えてくれるのは電子楽器の技術開発者、萩野 潔(はぎの きよし)さんです。 |
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| このページに掲載されている情報は2005年6月現在のものです。 | ||||
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♪アナログ・シンセサイザーが登場したころ、日本ではどんな反応が?「冨田 勲(とみたいさお)さんが日本人で初めて購入して話題になりました。冨田さんは1974年にドビュッシーの『月の光』というクラシックのピアノ曲をシンセサイザーならではの音楽に構築して世界的な大ヒットを記録し、シンセサイザーの素晴らしさを世に知らしめたパイオニアです。冨田さんの作業は、例えて言うならオーケストラの全パートをシンセサイザーに置き換えて第一バイオリンはこんな音色(おんしょく)に、ビオラはこんな音色に、とセッティングして使い分けたようなものなんです」♪当時はどうやって音づくりを?「音には、ピッチ(音の高さ)、音色(音質)、音量(音の強さ)の3つの要素があります。この音の3要素を電圧によってコントロールする方式が、アナログ・シンセサイザーで代表的な方式でした」♪ピッチ、音色、音量を電圧でコントロールする・・・「ちょっと難しいですよね、順番に説明していきましょう」 |
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| 「音の正体は空気の振動で、空気の濃い薄いという粗密(そみつ)が波のように広がり、音として聴こえています。例えばピアノの音の波形(はけい)はこんなふうに描けます」 | ![]() |
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♪複雑な形で波打っているんですね「自然な音は不規則で複雑なんですよ。シンセサイザーは音を電気の振動としてつくり出し、電子回路内で様々な加工をします。ちなみに、その後で私たちの耳に聞こえるように、電気の振動を空気の振動に変換してくれるのがスピーカーです。では、“アナログシンセ”の代表的な音色であるシンセベースをつくっていきましょう。最初にこれから加工するための元になる波形を選びます。 当時の発振器で電気的につくれた波形は多くても4、5種類でした。まずはノコギリ波。鋸歯状波(きょしじょうは)とも呼ばれ、シンセベースやストリングス(弦楽器)に向いています。続いて矩形波(くけいは)。凸凹した波形で、高いところと低いところが半々の50%波形はクラリネットの音質に、高いところが10%の波形はトランペットなどの金管楽器の音質に近いですね。この高低の割合は連続的に変化させることができるものが多いです。そしてギザギザした三角波(さんかくは)。これは弱く弾いた時のピアノの波形に近いです。他にも滑らかな曲線を描く正弦波(せいげんは)、FMラジオでチューニングが外れた時のような音がするノイズも人工的に出せました。それぞれ波形を見ながら音を聴いてみてください。 下図の左は波形図で、横軸が時間を、縦軸が振幅を表しています。右は倍音図で横軸が周波数、縦軸が倍音の強さを表し、縦横軸とも対数尺表示です」 |
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♪波形によって音の豊かさに違いがあるような・・・「単純に言うと、波の傾きが急になる部分が多いほど倍音が多くなり、音が豊かに感じられます。ノコギリ波では多くの倍音を含んでいて音色が明るい感じですよね。三角波では倍音は少し。正弦波は全く倍音を含まない純音、基音だけの音です。あと、三角波と矩形波50%では倍音が一つおきに歯抜けになる点にも注目してください」 |
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♪音の高さは何で決まるんですか?「音の高さは波形が繰り返す速さ、つまり周期で決まります。波の1周期の長さが長いと低い音、短いと高い音になるんですよ。例えば時報の“ラ・ラ・ラ、ラー”の低いラは440ヘルツで高いラは880ヘルツなんですが、これは1秒間にそれぞれ440回、880回振動していることを示しています。電圧でピッチをコントロールするには、高いラの音を出したい時に、低いラの時の2倍の電圧をかけるんです。シンセサイザー・メーカーによって異なる方式もありますが・・・」♪そうやって、電圧で音の高さを変えるんですね「はい。試しに上にあるノコギリ波の音の高さを1オクターブ上げてみましょう。電圧を徐々に上げることによって、このように連続的に音を上げることができるのも、シンセサイザーならではです」 |
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♪次は何をするんですか?「このノコギリ波にどういう変化をさせるか考えます。例えばピアノの音は最初は明るい音色だったのが、だんだん暗くなります。そこでこのノコギリ波も、最初は全部の周波数成分を出しますが、だんだんローパスフィルターを高い方から低い方へ動かしていき、自然な音色の変化を再現します」♪フィルターというのは?「コーヒーのフィルターと同じく濾過(ろか)するもので、ある所を通してある所を通しません。ローパスフィルターは低い方の周波数だけを通して、高い方の周波数を削ります。ノコギリ波の周波数成分は高い音から低い音まで詰まっているので、それをフィルターでどこからどんなふうに削るか、時間変化もつけて決めるわけです。フィルターを動かすと音の印象はがらりと変わるんですよ」 |
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♪フィルターでずいぶん音が変わりました! |
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| 「今度は音量について考えてみましょう。アナログ・シンセサイザーでは4段階の変化を付けられます。鍵盤(けんばん)を押し始めるキイオンから、指を離すキイオフ後しばらくまでの振動の変化を図で表すとこんなふうです。A・D・Rでは各々の時間の長さを、Sではその時の音量を変えることができます」 | ||||||||||||||||||||
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| 「それでは先ほどのシンセベースの音量も、時間変化させてみましょう。この例ではアタックはほぼ最高速、サステイン時の音量は非常に低く設定してあります。音量の変化に合わせて、フィルターの動きもこのように速くしてやると、速いテンポのリズミックな刻みが演奏しやすくなります」 | ||||||||||||||||||||
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「このようにアナログ・シンセサイザーでは、内部で電気的に発振したいくつかの波形から1つを選び、ピッチを決め、フィルターで音色を変え、音量を変化させて音をつくっていました。デジタル・シンセサイザーが主流となった今も、アナログ・シンセサイザーの音を好む人のためにデジタルでAN音源として再現し、音源として使えるようになっています」
♪アナログの音は今も現役なんですね |
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| 音程と音色と音量、この3つの変化をどうつけるかが シンセサイザーの音づくりの基本で アナログ・シンセサイザーは電圧を使って 上手に音をコントロールしていたんですね。 次回はデジタル・シンセサイザーの音づくりを紹介します! |
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| スペシャルインタビュー 冨田 勲 AN音源講座 ヤマハ製品ページ/ヤマハシンセサイザー&ミュージックプロダクション(DTM関連機器、ソフトウェア) |
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