半球状のボディは、直径40cm〜45cmの丸いひょうたんを半分に割ったものです。切り落とされた面には、子牛、山羊あるいは羊などの皮を張り、鋲でとめてあります。胴体を補強するために、横に一本の木の棒が通してあります。そのボディの中央には、直径5cm、長さ1.2mほどのネックが一本通されており、その両脇にある二本の棒は「握り棒」です。
コラのブリッジは、右の写真のように平たい板状のもので、ブリッジの先は左右に分かれています。正面から見ると、右側に10、左側には11、弦の数だけ切り込みが入っています。弦の数は正面から見て右側に10本、左側に11本の計21本。今はほとんどナイロン弦(釣り糸)を使っていますが、以前は皮紐でした。
他の弦楽器と大きく違うのは弦の張り方です。ギターなど多くの弦楽器はネックに対して弦を平行に張りますが、コラの場合は、ネックに対して直角に、しかも右と左に分けて張ります。さらに弦の先端は、丸い棒状のネックに皮製の輪を21個通し、それに取り付けるようになっています。これをどう演奏するかといいますと、両手の親指と人差し指の計4本の指だけでつま弾くように弾きます。まるで、ギターのアルペジオを、左右同時に、しかも左右違うパターンで弾くようにするのです。さらに、人差し指で握り棒を叩いて、パーカッシブな音を出したりすることもあります。
アフリカの楽器というと、皆さんは真っ先に太鼓を思い浮かべられることでしょうが、これまでも見てきたように、驚くほど様々な楽器があります。このコラはどんな音色を持つと思いますか。アフリカの楽器には噪音を出すように工夫したものが多いのですが、コラは、そういったノイズを伴わないシンプルで美しい音色を発します。皆さんはきっと、「これがアフリカの楽器の音!?」と驚かれることでしょう。ぜひ聴いてみてください。♪音色を聴きたい方は、ココをクリック
コラを演奏するのは、グリオ(あるいはマンデ語でジャリ)と呼ばれる世襲的音楽家です。グリオは音楽家と言っても、楽器の演奏だけではなく、英雄の物語や歴史、各家の系譜、また各地方の新しい情報などを、楽器のメロディーに乗せて人々に語ることを主な仕事としています。結婚式では新郎新婦の家系を称え、村々を移動しては遠方の情報を伝え、いさかいが有れば偉人の行いや英雄譚を交えて仲裁したりします。さらに、優秀なグリオは王様付となって政治や外交をサポートしたりもします。「一人のグリオは一つの図書館と同等の知識を蓄積している」と言われるほど物知りです。
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リオたちが演奏する楽器には、コラの他にも、小型のギターの様なンゴニ、ひょうたんを共鳴胴とした木琴のバラフォン、ひょうたんの胴にネックを通した3弦の楽器ボロンなどがあります。一般に、男性は楽器を演奏し、女性は歌や踊りを担当することが多いようです。西アフリカの古い歴史を語り継ぐグリオたちの音楽には、これ以外にもいろいろあります。是非、探して聴いてみてください。
■筆者提供の音源(試聴にはミッドラジオプレーヤが必要です)
◎コラの演奏『サニア(sania)』(寺崎卓也)
◆参考資料一覧
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