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◆ヨーロッパ(4)
   
「アイルランド音楽の楽器たち」
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執筆: 横井雅子


のところ日本でもアイルランドの音楽がブームとなって、数多くの演奏家がコンサートやライヴを行うために来日するようになりました。また、アイルランドのダンスのモティーフを用いてショー化されたパフォーマンス(※1)が世界的に大流行したこともあって、さまざまなタイプのアイリッシュ・ダンスを踊る人も増えてきました。アイルランドの音楽を間近で聴いてみると、実はそこでは際立って個性的な楽器が用いられているわけではないことに気付くでしょう。アイルランド音楽はどんな楽器でも演奏することも可能、といわれるほど、親しみ深く、また日常的な音楽作りの楽しさを伝えてくれるものなのです。

イリアン・パイプス 日、アイルランド音楽ではいろいろな楽器が使われていますが、本来アイルランドで昔から使われていた楽器は、フィドルとイリアン・パイプス、それにハープの3種類です。フィドルはふつうのヴァイオリンのことで、アイルランドの伝統音楽ではフィドルという名前で呼ばれます。イリアン・パイプスはバグパイプの一種ですから、いかにもヨーロッパらしい楽器と言うことができますが、旋律管と3本のドローン(※2)管のほかに、レギュレーターと呼ばれる管を3本もっている点が特徴的です。レギュレーターは主に和音を演奏するための管です。通常のバグパイプより演奏が難しいとされるのは、レギュレーターがあることも、その理由の一つといえるでしょう。ハープはアイルランドの象徴とされる楽器で、あのギネスビールの商標にも使われています。この楽器はオーケストラで見かけるものよりずっと小型でペダルもついていません。また、弦の根元につけられたキーを操作することで、その弦の音の高さを半音変えることができます。

パブでのセッション風景 のほかにアコーディオンや、アコーディオンの仲間ともいえるコンサーティーナ、吹き口がリコーダーと同じ仕組みの(ティン・)ホイッスル、それに木製のフルートなどもよく目にする楽器です。ホイッスルは単純な楽器なので、初心者がまず手にすることが多いようですが、いろいろなテクニックを駆使した演奏も可能です。やはり初心者が取り組むことの多いのが片面太鼓のバウロンで、桴(ばち)や手を使ってたたきます。このように、私たちにとっても見覚えのある楽器、耳なじみのある音がアイルランド音楽の間口を広くしていますが、本当の面白さがわかってくると奥が深く、それもまた魅力なのです。

※1:代表的な例として、ダンス・ショーの「リバーダンス」や、それをミュージカル化・映画化した「ロード・オブ・ザ・ダンス」など。
※2:蜂の羽音に由来する語で、旋律に対して一定の音高で鳴らし続けられる持続音のこと。ドローンを専門に鳴らすための楽器をドローン楽器、弦をドローン弦、管をドローン管などという。

ミッドラジオプレーヤ ■アイルランド音楽の音源(提供:守安功)
"Codey's Reel/The Foxhunter's Reel" played by Paddy & Bridget and their great Friends

■参考リンク
ケルトの楽器(Celtic Music Instruments)
 アイルランド音楽で使われる様々な楽器についての情報源(英語)。
アルタン(Altan)
 80年代から活動を始め、国内外で評価の高いアイルランドのトラッド・バンド。

◆参考資料一覧



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